2次創作 相棒 「理想郷」 中

ぎーやなさんは高校の時に文芸部から助っ人頼まれてから“卯月君(うづきのきみ)”っていうペンネームをつかってるんですが、それで最近気づいたんですよねー。

こっちは2人称じゃん!
僕蔵さんは1人称じゃん!

君と僕じゃん!
toi et moi(トワ・エ・モワ)じゃん!

くっだらねっ(笑)

それにしても、一言メッセージから記事に至るまで、よくもまあ小ネタが次から次から浮かぶなぁ、と
自分でもあきれとります(自嘲)

もっとお金になることに能力を費やしたい…。

僕蔵さん、おこづかいちょーだい(爆)

m(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m


気を取りなおして…。

2次創作 相棒 「理想郷」 上 https://blogs.yahoo.co.jp/uzukinokimi/36274227.html

も合わせてどうぞー♪




 榊原「すみません。脚を滑らせてなんかいないんです。本当は…誰かに突き飛ばされたんです」

 神戸「え?何でもっと早くそれをいわなかったんですか?」

 榊原「それは…」



 神戸「粉飾決算?」

 榊原「えぇ。僕は会計課にいたのですが、会社の不正に気づいて、個人的に調べていたんです。真っ先にリストラされたのもそのせいなんです」

 神戸「それで、脅しを?」

 榊原「確証は得られませんが、僕が命を狙われる理由は、他に見当たりません」

 杉下「職場を転々としていたのも、そのせい?」

 榊原「えぇ」

 神戸「なぜ今まで黙っていたんですか?」

 榊原「それは…。もし粉飾決算のことが公になってしまえば、今働いている社員たちにも、とばっちりがいくと思ったからです。彼らに罪はありませんから…」


 後日、『エッヂ』に詐欺罪などの容疑で警視庁捜査二課の捜査員たちが家宅捜査に入り、粉飾決算のことが公となった。
 

 特命係の部屋にて

 神戸「おはようございます。ん?杉下さん、何読んでるんですか?」

 杉下「榊原さんが起こした物損事故の捜査資料です」

 神戸「どうやって入手したのやら…」

 杉下「まぁ、それは置いといて…。事件性は皆無のようですねぇ」

 神戸「じゃぁ、タクシーの事故とその後の2件の事故は切り離して考えないといけない、ということですかねぇ」

 杉下「さぁ、どうでしょうねぇ…」

 角田「暇か?」

 神戸「暇じゃありませんよっ」

 杉下「おはようございます」

 角田「コーヒーもらうね」

 マイ・パンダカップにコーヒーを淹れる。

 角田「しっかしまぁ、世界の『エッヂ』が粉飾決算だなんてなぁ。信用も地に落ちたね」

 神戸「榊原さんの意に反して、社員たちは路頭に迷いかねないですねぇ」

 角田「あぁ、その榊原って人の殺人未遂の容疑で会計課の責任者が伊丹たちの取り調べ受けてるらしいぞ」



 取調室にて

 伊丹「粉飾決算のことを知っていた榊原さんの口を封じるために、殺そうとしていたんじゃないのか?」

 渡利「そ、そんな…。彼に証拠を握られる前にクビにしたんです。だから、殺す必要もありませんよ」

 芹沢「証拠が無くったって、マスコミにリークされたら、それこそ信用問題でしょ?」

 渡利「それなら、お金で解決させますよ。そんなヤクザみたいな真似…」

 三浦「どうだかねぇ」


 取り調べの様子を隣室から見届ける特命係。

 神戸「どう思います?」

 杉下「どう、とは?」

 神戸「口を封じるくらいなら、辞めさせたりするかなって」

 杉下「確かに、恨みを買って、かえって公にされかねませんからねぇ」

 神戸「えぇ。でも、だったら誰が榊原さんを…」

 杉下「もしも榊原さんが殺されかけたのだとして、にもかかわらず、庇おうとする相手となると…」

 神戸「あ!」


 榊原の元妻、木元晴子の勤め先にて。

 木元「お昼短いんで、食べながらでも構いませんか?」

 杉下「もちろん」

 ベンチに座り弁当を広げる晴子。

 木元「もう、関わりたくないんですよね、アイツと」

 杉下「と、おっしゃると?」

 木元「本当は最初から相性よくなかったんですよ、私たち。彼は高卒、私は大卒。でも、彼『エッヂ』に勤めてたでしょ?ま、それに、昔はああ見えてかわいいところがあって。というか、かわいく見えたんでしょうねぇ。でも、蓋をあけてみれば、仕事しか能のない、でくのぼうで。仕事は真面目だったし、お給料もそこそそだったから、我慢してたんです」

 神戸「でも、リストラされて、愛想をつかした」

 木元「やめてくださいよ。それじゃまるで、私たちが冷酷非道みたいじゃないですか。まぁ、リストラされたってのもあるけど、それだけじゃないのよ」

 杉下「と、おっしゃると?」

 木元「アイツ、自殺未遂起こしたのよ」

 杉下「自殺未遂、ですか…」

 木元「そう、お風呂で手首切って。でも、アイツ、死ぬ気なんかなかったのよ」

 杉下「はい?」

 木元「だって、本当に死ぬ気だったら、私が外出してすぐに行動に起こすでしょ?でも、アイツが手首を切ったのは、私が帰宅する直前だったのよ。要するに、被害者意識の自己アピールだったってわけ。あ、もうこの人だめだって。ついて行けないわって。それで、娘連れて出て行きました」

 神戸「ところで、榊原さんには5000万の生命保険がかけられてますよね?受取人は娘さん名義、だとか」

 木元「ちょっと、それって私が保険金目当てにアイツを殺そうとしたって言いたいんですか?」

 神戸「いえ、ちょっと確認までに…」

 木元「あのね、私、フルタイムで働いてるし、両親も健在で、お金には何ら不自由してないの。だから、今だって、養育費はもらってません。さっきも言った通り、アイツとはもう関わり合いになりたくないの。そりゃぁ、アイツに万が一のことがあって、くれるっていうんなら、娘の将来のために喜んでいただくけど、わざわざ罪を犯してまで欲しくないわよ。もう、忘れたいのよ、あんなろくでなし。もういいでしょ?帰ってください!」
 


 花の里にて。

 月本「どうぞ」

 杉下に酒、神戸にビールをそれぞれ差し出す。

 神戸「相当恨んでる様子でしたね。やっぱり晴子が犯人なんじゃありませんか?」

 杉下「少し、ひっかかっていることがあるんですがねぇ」

 月本「行き詰ったら、全然違うお話をするといいかもしれませんよ?というか、関係ないお話、してもいいですか?」

 杉下「えぇ、どうぞ」

 月本「今日ね、商店街で買い物していたら、突然おばあさんが苦しがって。それで、私びっくりしておばあさんを病院まで連れて行ってあげようとしたんです」

 杉下「えぇ」

 月本「そしたら、お店の人たちが出てきて、口々に『ほっておいて大丈夫だ』って」

 杉下「おやおや、それはまたどうして?」

 月本「私頭に来て、『ほっておけるわけないじゃなですか!』って言ったら、『おばあさんの仮病だから』って。それで、振り返ったら、もうそのおばあさんいなかったんですよ!ひどいと思いませんかっ!」

 神戸「でも、なんでまた仮病なんか?」

 月本「そのおばあさん、天涯孤独でお友達もいなくって、構って欲しかったみたいですねぇ」

 神戸「でも、仮病って…。小学生かよっ」

 杉下「構って欲しかった、ですか…」

~続く~