オリジナル創作「妄想主婦☆うきえちゃん~この物語は3割実話です~」第1話

初めていらっしゃった方で今後も遊びに来てやろうかと思って下さる大変奇特な方は是非「ぼくようびのトリセツ」(https://blogs.yahoo.co.jp/uzukinokimi/36144883.html)も合わせてお読みください。
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僕蔵さんのファンになったばかりで、どの作品からみたらいいかわからない、という方は当ブログの「正名僕蔵さんの出演作品一覧(https://blogs.yahoo.co.jp/uzukinokimi/36414279.html)」を参考になさっていただけると幸いです。
大規模災害や重大事件が発生した際にも、基本的に更新を中止することはございません。“非常時こそいつも通りに”“むしろ、より明るく、楽しく、面白く”がモットーです。

昨日の「出演予定」でちらりと話題に出した「妄想主婦☆うきえちゃん」

私をモデルにしたストーリー。

予想以上に“妄想”が進んだんで、1話だけ載せてみることにします。

作中で僕蔵さまはそのまま登場されていますが、背景その他はご本人とは全く関係ありません。

フィクションですからね、7割は(笑)

今回は小説ではなくシナリオです。

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 『妄想主婦登場とグランマの襲来』

 つかさナレーション「私の名前は浮橋つかさ。14歳、中学2年生です。私の父、誠48歳はいわゆる“イケメン”。エリート商社マンで、私の自慢。母、うきえ38歳はごく普通の顔面。可もなく不可もなくといったところ。服のセンスは…ちょい浮き気味?
 二人は結婚して10年以上経つというのにいまだにラブラブ。月に一度、二人だけでデートに行っちゃう程。まぁ、寂しくないと言えば嘘になるけれど、この際そんなことはどうでもよくて。
 実は母はラブラブな父にも内緒にしている、ある重大な秘密を抱えていて…」
 
 誠「じゃぁ、行ってくるね」
 うきえ「行ってらっしゃぁい。気をつけてねー」
 
 つかさナレ「その秘密とは…」
 
 うきえ「さてと、誠さんも行ったことだし…」
 
 自室内のアコーディオンカーテンを勢いよく開ける。
 そこに現れたのは…。
 
 うきえ「僕蔵さま~゚+.゚(´▽`人)゚+.゚」
 
 無数の僕蔵グッズに笑顔を振りまく。
 
 そう。私の母、浮橋うきえは俳優・正名僕蔵の熱烈なファン、なのです…。

 つかさ「ってか、何で僕蔵…。お父さんの方がよっぽどかっこいいのに」
 うきえ「つかさちゃん、人はね、顔じゃないのよ」
 つかさ「だからってこんなハゲおやじ…」
 うきえ「何言ってるの!誠さんのことよ」
 つかさ「は?」
 うきえ「確かに世間的には誠さんの方がイケメンかもしれない。でも、正直誠さんの顔、私のタイプじゃないの」
 つかさ「え!?」
 うきえ「私はあくまで誠さんの、真面目で優しい人柄に惚れたのよ。いや、今でも惚れてる~(//▽//)。だけど、せめて妄想の世界では、自分のタイプの人に想いを寄せてみたいじゃない?」
 つかさ「有り得なポイント多すぎて、言語化できない…」
 うきえ「つかさちゃん、僕蔵さまはハゲおやじじゃない!ただ、ちょっと…おでこが広いだけよ!それに、年だって誠さんと同じなんだからっ!
 つかさ「え!見えないー!」
 うきえ「後、僕蔵“さん”と呼びなさい!それと…」
 つかさ「まだ何かあるの?」
 うきえ「このままだと、遅刻しちゃうわよ」
 つかさ「げっ!何でもっと早く言ってくんないのよ!お母さんと…僕蔵のバカっ!」

 走り出すつかさ。

 うきえ「お母さんはいいけど、僕蔵さまにバカ言わないのっ!今度呼び捨てにしたら、お母さんご飯作ったげないんだからっ!」
 
 つかさナレ「これは日常生活で起きる様々な問題を類稀なる妄想力で華麗に解決する一人の主婦とその家族の物語」
 
 
 つかさ「ただいま~」
 うきえ「おかえり。テスト、どうだった?」
 つかさ「まぁ、ぼちぼちかなぁ」
 うきえ「と言うことは、上々ってことねー。なんたって、つかさちゃんは学年イチの秀才だものねー。ほんと、誠さんに似てよかったー」
 つかさ「私もそう思う。ってか、また僕蔵見てんの?」
 うきえ「良いでしょ?お仕事、一段落ついたとこなんだし。ささやかな楽しみにあれこれ言わない!」
 つかさ「はいはい…」
 
 つかさナレ「母はイラストレーターで、在宅で仕事をしています。と言っても、そんな大したアレじゃなくて、地域の商店街のチラシ作りや本の挿し絵なんかを細々とやっている程度です。父の収入は安定しているし、子どもは私一人だから、まぁ…趣味の延長線上、といったところでしょうか」
 
 うきえ「ところでさぁ、見て見て~。よく描けてると思わない?」
 つかさ「ぎゃ!また描いたの?」
 うきえ「うん!今回は“こたつで丸くなる僕蔵さま”かわいいでしょ?」
 つかさ「こんなん描いてるヒマあったらさぁ、掃除しようよー」
 
 散らかる部屋を見回す。
 
 うきえ「うるさいなぁ。これ見終わったらやろうと思ってたのにぃ」
 つかさ「母娘のセリフが完全に逆転してる…」
 うきえ「あ、クッキー焼いてるから。おやつに食べてねー」
 つかさ「うん、ありがとう。意外とマメなとこあるんだよなー」
 うきえ「何?」
 つかさ「ううん、何でもない」
 うきえ「そう?さて、ここからが良いのよー!はぁ~、かっこよい~!待って!何、今の表情!とっても私好みなんですけど!後で写メ撮ろう!」
 つかさ「はぁ…今時写メって。ん!これおいしっ!まぁ、変な母親だけど料理上手だから多めに見てやるか…」
 
 つかさナレ「母の僕蔵ファン歴は20年以上にも及ぶ。高校時代、何の気なしに入った小劇場でまだ俳優としては駆け出しだった彼の演技に衝撃を受けたみたい。まぁ、全く興味なしの私の目から見ても、その芝居のスキルの高さはなんとなくだけどわかる。それ以来、彼の出る公演は欠かさず観劇し、テレビ出演の多くなった今でもたまに舞台に出演すると劇場まで足を運んでいる。小学校高学年以降、私はこの観劇の被害者となっている。半年後にも舞台が控えていて、私も連れて行かれる予定である。はぁ…」
 
 うきえ「はぁ~、何度見てもいいわ~。さて、さっき見つけたツボショット写メろっと!」
 つかさ「まだ写メ言うとんのかいっ!」
 
 うきえが写真を撮ろうとスマホを取ると、着信音が鳴る。
 「浮橋和子」と表示される。
 
 つかさ「あれ?おばあちゃん」
 うきえ「もしかして…」
 
 恐る恐る電話を取る。
 
 うきえ「もしもし…」
 和子「もしもし、うきえさん?元気にしてた?」
 うきえ「あ、はい…」
 和子「これからね、そっち行こうと思って。これから新幹線に乗るとこ。1時間くらいしたら着くと思うから。それじゃ、またね~」
 うきえ「はい。どうぞお気をつけて…」
 
 電話を切る。
 
 つかさ「おばあちゃん、今から来るって?」
 うきえ「うん…」
 
 つかさナレ「横浜の和子おばあちゃんはとっても気立てがよく物わかりもいいのですが、月に1度何の前触れもなく急に我が家を訪れるのが悪い癖で、その度に母を悩ませるのでした…」
 
 つかさ「やっぱりさ、ここははっきりと『もう少し早く、せめて前日には知らせておいてください』って、言うべきだよ!」
 うきえ「そんな事、言えるわけないじゃない…」
 つかさ「どうして。おばあちゃんのことだから、きっとわかってくれるよ!」
 うきえ「つかさちゃん、人間関係においては“相手がどういう人か”よりも“相手と自分との関係”がより重要なのよ!」
 つかさ「はぁ…」
 うきえ「そりゃ、おばあちゃんはとってもいい人よ。だから、もしフラットな立場で出会っていたらお母さんとお友達になっていたかもしれない。だけど実際問題、私と彼女は嫁と姑という関係性にある。この決定的な立場が固定されている状態で、嫁としての私が姑としての彼女に、そういう類の主張はできないのよ…」
 つかさ「お母さん、いつもはほわほわしてるけど、たまに超現実的になるよね…」
 うきえ「根が現実的だからこそ、妄想に逃げるのよ…。わかる?」
 つかさ「ちょっと何言ってるかわからないんですけど…」
 うきえ「わかれよっ!」
 つかさ「こわっ!ってか、そんなこと言ってる場合じゃないんじゃない?」
 うきえ「そうだ!掃除しないと…っと、その前に」
 
 テレビの前でごそごそするうきえ。
 
 つかさ「ちょっとお母さん、何やってるの?」
 うきえ「あった!これこれ…」
 
 DVDを再生する。
 
 つかさ「そんな、僕蔵なんて見てるヒマないでしょ!」
 うきえ「これ、お母さん一番気に入ってるヤツ!これでパワーチャージするのよ!」
 つかさ「は?」
 うきえ「偉大なる僕蔵さまよっ!今こそ我に力を与えたまえ!」
 
 天を仰ぎ両手を上げる。
 
 つかさ「宗教かよ…」
 うきえ「よし!やりますかー!後、僕蔵“さん”ね!」
 つかさ「くどい、くどすぎる…」
 
 てきぱきと掃除をこなすうきえ。あっという間に部屋がぴかぴかに。
 
 つかさ「す、すごい…。何たるエネルギー源…」
 うきえ「だから、言ってるでしょ?僕蔵さまはすごいんだって!」
 つかさ「と言うより、僕蔵をエネルギーに変換するお母さんの方がすごいんじゃない?」
 うきえ「お褒めに預かり、光栄です☆」
 つかさ「いや、別に褒めたつもりはないんだけど…」
 うきえ「後…」
 つかさ「僕蔵“さん”ね?」
 うきえ「わかればよろしい…」
 
 インターホンが鳴る。
 
 つかさ「おばあちゃん」
 和子「つかさ!また背が伸びたんじゃない?」
 つかさ「一月でそんなに伸びないよ」
 うきえ「成長期だから、たまに見るとわかるんじゃない?ねぇ、お義母さん」
 つかさ(いや、お母さんだって絶対「そんな短期間で伸びるわけねぇじゃん」って思ったよね?そうか、これが“相手との関係性”ってやつか…。色々大変なんだなぁ…。)
 うきえ「お義母さん、夕食はどうされます?」
 つかさ「あぁ、それなら友だちと約束してるから結構よ。ホテルの予約もしてるし…。今日はこれを渡しに来ただけだから」
 
 白い恋人を差し出す。
 
 つかさ「おばあちゃん、北海道行ってきたの?」
 和子「えぇ。次は九州にでも行こうかねー」
 
 つかさナレ「おばあちゃん、去年におじいちゃんが無くなり遺産を相続してからというもの、第二の人生を謳歌しまくっている」
 
 うきえ「お茶どうぞ」
 和子「ありがとう。あら、クッキーも?」
 つかさ「うん、お母さんが焼いたんだ。めっちゃうまだよ」
 和子「どれどれ…。うん、おいしいねぇ。うきえさんは本当に料理上手で…」
 うきえ「いえ、とんでもない」
 つかさ「いや、お母さんは料理上手だよ!」
 うきえ「どしたの?そんなムキになって…」
 つかさ(何が“相手との関係性”よ!そんなもん、くそくらえだっ!)
 
 テーブルの上のテレビ情報誌を何気なく広げる和子。
 それは、片付け忘れた“僕蔵コレクション”で、ドラマの宣伝として僕蔵が特集された記事が載っていた。
 
 うきえ「あっ!」
 和子「わぁー、番組表は文字が小さくて何のことやらさっぱり…。写真のところだけ読みましょう」
 
 どんどん僕蔵のページが近くなる。
 キッチンで挙動不審になるうきえ。
 つかさ「(小声で)お母さん、落ちついて!」
 和子「はぁはぁ。この俳優さん、最近よく見かけるよねぇ。名前知らないけど…。あ、ここに書いてある。えぇっと、しょう…ん?うきえさん、これ何て読むの?」
 うきえ「ま、まさなぼくぞう、じゃなかったかしら…」

 つかさ(うわぁー、お母さん知らん顔してるー。しかも、呼び捨てにしてるー。何この状況、すごく面白いんですけど…)
 うきえ(こやつ、この微妙な空気感を楽しんでいやがるな…)
つかさ(バレた?)
 うきえ(何年あんたの母親やってると思ってんのよ!)

 和子「まさなぼくぞう?変な名前…」 
 うきえ「そう、変ですよねー。でも、正名ってのは本名みたいですよ、確か」
 和子「へぇ、そんな名字初めて聞いた。うきえさん、詳しいのね?」
 うきえ「(ぎくっ!)い、いや…何かの番組でちらっとそんなこと言ってたような、気が、するだけ…です。はははー」
 つかさ(お母さん、それじゃまるで壊れたロボットだよ…)
 和子「でも、変なのは名前だけじゃないわよねー」
 うきえ「え?」
 和子「なーんか、顔も変だし…あらやだ、この方、誠と同い年?いやー、全然そうは見えないわねー!」
 
 顔色が変わるうきえ。
 母の異変に気づき近寄るつかさ。
 小声で会話を始める。
 
 つかさ「お母さん!(首を振る)」
 うきえ「だって、僕蔵さまのことっ!」
 つかさ「相手との関係性!」
 うきえ「人間にはね、そういうものを飛び越えて、言わなきゃならない時ってもんがあるのよ!」
 つかさ「奇襲攻撃我慢できるんだったら、ここも踏ん張って!」
 うきえ「いんにゃ、それは出来ない相談だな」
 つかさ「キャラ変してるし…」

 和子「受け答えもなんか、素直じゃないというか…」
 
 血相変えて和子に近寄ろうとするうきえ。
 なんとか母を引きとめるつかさ。
 
 和子「でも…お芝居は上手よねー」
 うきえ「へ?」
 和子「この人前から気になってたのよねー。ほら、私サスペンス好きでしょ?昔からたまーに出てるの見てたんだけど、『若いのに、芸達者だなぁ』って、感心してたのよねー。物覚えが悪いし、名前なんかイチイチ確認してなかったけど。まぁ、確認しててもこの名前じゃ覚えられなかっただろうけどねぇ。それが、最近、よく見かけるようになって…。そう、この人、正名僕蔵って言うのね。覚えておくわ。でもまたすぐに忘れちゃうかもしれないけどね。ほんに最近、物忘れがひどくってねぇ」
 うきえ「お義母さん…。えぇ、私もとても素晴らしい俳優さんだと思いますよ」
 つかさ「私も」
 うきえ「つかさ…」
 和子「さて、全員の意見が一致したところで…そろそろお暇するかねぇ」
 うきえ「なんのお構いもできませんで…」
 和子「いえいえ、かわいい孫と嫁の顔を見られただけで十分ですよ。それに、今日は一つ勉強になったしねー」
 つかさ「じゃぁ、さっきの俳優さんの名前は?」
 和子「あれ?何だっけ?」
 つかさ「即効で物忘れ発動www」
 和子「冗談ですよ。正名僕蔵さん、でしょ?」
 うきえ「はいっ!」
 
 和子が去ってしばらく後。
 
 つかさ「お母さん、良かったね」
 うきえ「うん」
 つかさ「もう、一時はどうなることかとヒヤヒヤもんだったよ…」
 うきえ「あっ!」
 つかさ「どうしたの、急に大声出して」
 うきえ「さっきのツボショット、撮らないとととー♪」
 つかさ「全く、お気楽なんだから…」

 和子「うきえさん、ちょっと忘れ物」
 うきえ「ぎゃっ!」

 慌ててテレビを消す。

 和子「何ですか、人を化け物みたいに…」
 
 つかさナレ「とまぁ、こういった具合です。この後も様々な出来事が起こるのですが…それはまた別の機会に」

~終わり~

いかがでしたか?

これくらいの短いものでしたら、書くのに1時間半かかりませんね。

これからも気が向いた時に気の向くままアップしていきます。

とりあえず後2話分くらいのイメージは出来てるんで。
文章に起こすヒマがあるかは別ですが…。

なんだったら、最終話とかも大体膨らんでるんですけど、そこまで持つかな。私の妄想力(-▽-;)
ってか、この話の中でどんだけ「僕蔵」っていうワード登場すんねん!