オリジナル創作 「おじさんロイド」 第5話

 
初めていらっしゃった方で今後も遊びに来てやろうかと思って下さる大変奇特な方は是非「ぼくようびのトリセツ」(https://blogs.yahoo.co.jp/uzukinokimi/36144883.html)も合わせてお読みください。
ちょくちょくお越しいただいている方も、結構頻繁に更新していたりするのでたまーに見返していただけたらありがたいです(^ω^)
随時コメント大歓迎!忌憚のない感想をお寄せいただければ幸いです♪

 今回、何かが起きるかも、です。 



 

 目が覚めると、香織はソファの上で横たわっていた。
 目の前にはマナブと博士が自分を覗き込んでいる。

 ガバっと起き上がる香織。

 香織「マナブくん、大丈夫?いたたた…」

 頭を押さえる。

 マナブ「まだ起き上がってはいけませんよ。凄い熱だったのですから」

 香織「え?」

 マナブ「ここ、クロノス社の前で倒れていたところを、たまたま博士が見つけてくださって。部屋に運ばれてきたときは酷い熱だったようですよ。もう、だいぶ下がったみたいですけどね」

 香織「だったよう?」

 博士「君がここへ運ばれて来た時、彼もまた酷い状態で」

 香織「え?」

 博士「この雨に打たれて、元通りになったのは奇跡だ。普通なら、正常に起動しても初期化してるところだよ」

 香織「ありがとうございます」

 博士「何があったか知らないけれど、身を粉にして開発したアンドロイドなんだ。もうちょっと大事に扱ってくれないと困りますよ、お嬢さん」

 香織「何も話してないの?」

 黙って首を横に振るマナブ。

 香織「あの、私、何て言ったらいいのか…ごめんなさい」

 マナブ「謝る必要はありませんよ。アンドロイドに感情はありませんから」

 博士「マナブくん。謝るというのはね、必ずしも相手のためだけにするものではないのだよ」

 マナブ「と、おっしゃると?」

 博士「謝罪という行為は罪悪感や羞恥心から自分の心を救済するという役目も持ち合わせているのだよ」

 マナブ「なるほど。そのような答えは導きだせませんでした」

 博士「当たり前だ。私たち人間もほとんど意識していないのだからね」

 マナブ「おかゆでも作りましょうか?朝ごはん以来何も食べてないのでしょう?」

 マナブに抱きつき泣きだす香織。

 香織「ほ、ほんとにごめんなさい。わ、私…」

 マナブ「いえ。こちらの方こそ不適切な受け応えをして香織さんの心を傷つけてしまい、申し訳ありませんでした」

 博士「二度と迷子にならないように、GPS機能を搭載しておいたよ。これからは君の携帯でいつでもマナブの居所がわかるから、安心したまえ」


 帰宅後、香織は口数が少なかった。
 夕食も早々に済ませ、いつもより早めに床に就こうとしていた。

 香織「今日は本当にごめんなさい」

 マナブに抱きつく。

 マナブ「いえ。でも、博士がおっしゃったようにそれで香織さんの気が済むのなら」

 香織「それじゃ、今日はもう寝ます」

 香織が手を離す。が、マナブは抱きついたまま離さない。

 香織「マナブ、くん?」

 マナブ「もう少し、このままでいさせてください」

 香織「え?」

 マナブ「あなたに出て行くように言われた時、少し動作に時間がかかりました。もしかしたら出て行きたくないと、思ったのかもしれません」

 香織「思ったって…。あなたには感情はないんでしょ?」

 マナブ「はい。そのはずです。ですが、もしかしたら、人工知能で計算していくうちに感情のようなものが芽生え始めたのかも、しれません」

 香織「そ、そんなことって…」

 マナブ「その時はうっすらとだけでした。でも、修復が終わって再起動したとき、あなたの姿を見つけて、何と言うのか…その、跳びはねたくなった。もうお会いすることもないだろうと結論付けていたので。もしかしたら、雨に打たれたせいで、どこかがおかしくなったのかもしれません」

 香織「え…」

 マナブ「もしもあなたが私に離して欲しいと願っても、私は今この行為を止めたくありません。それが、お手伝いアンドロイドの役目を逸脱しているとしても」

 香織「あ…」

 マナブ「あなたが私に父親としての役割を果たすように求めても、私は…私はあなたの、人間における恋人のような立場であることを求めます。ただ…」

 香織「ただ?」

 マナブ「それによって、あなたに嫌われてしまうことが、怖い。でも今は、あなたを手放したくないのです」

 マナブをぎゅっと抱きしめる香織。

 香織「大丈夫。私もこうしていたいから」

 そっと口づけする。

 マナブ「ごめんなさい。アンドロイドにはここから先はできません」

 香織「これで十分だよ。でも…」

 マナブ「でも?」

 香織「マナブくんが、人間だったらよかったのにね…」

~続く~

あ~~~~~!!!!!!
いっつもこんな妄想ばっかしてると思われたらどーしよー(><)

そ、そんなことは、ありませんよ(焦)
あくまでも、“お話”なので(汗汗)

当初はキスなんてさせるつもりなかったんですけどね…。

“お話”として、その方が面白いというか自然かなと思って。いや、マジで。

ほんとはもっと進めた方がいいのかなー?

もしかしたら今後さらに進展したり?しなかったり?

ふへへへ^m^

m(_ _)m失礼しましたm(_ _)m


さてさて、次回、いよいよ物語は佳境に!
思いもよらない展開があなたを待ちうけるっ!かも?