File No.001 梶準之助(嫌われる勇気)

 
 客観的な内容にするよう努めていますが、どうしても私情は挟んでしまうでしょうから読者のみなさんとの感じ方のズレ、またオーバーな表現などが目立つかもしれません。そこのところはどうか一つ笑って受け流してやってください。特に、芝居についての考察は、演劇未経験者でありながら、とてつもなく上から目線で「何様?」という表現が目立つと思います。大目に見てやってくださいm(_ _)m
 また、キャラの性格などについて、「ここは違うんじゃないかい?」という点がございましたら、遠慮なくコメント欄等にお寄せください。場合によっては書きかえることがある、かも?しれません(^ ^)


嫌われる勇気…2017年1月期にフジテレビ系列で放送されたテレビドラマ。『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラーの教え」』(岸見一郎・古賀史健著)を原案としている。
 人に合わせたり気を使ったり空気を読むことを一切しない変わり者の刑事・庵堂蘭子がアドラー心理学を手掛かりに事件を解決していく物語。

 梶は警視庁鑑識課の主任鑑識官。出演時間は1話平均2~3分程度だが、物語後半の展開も相まって抜群の存在感を発揮している。

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かっこよさ★★★★☆
かわいさ ★★★☆☆
おもしろさ★★★★☆
気持ち悪さ★★★★★
怖さ   ★★★★★









口癖
・「さすが、庵堂蘭子」
 蘭子が独自の見立てをした時に褒める一言。ただし、本放送では3回しか登場していない。

・「さすが、FBI式プロファイリング」
 「さすが、庵堂蘭子」をもじったもの。蘭子の同僚・浦部刑事がトンチンカンな推理をした時に皮肉っぽく言う。
 皮肉であることに気づかず浦部が本気で照れて肩を叩こうとすると全力でよける。

・「出た!」
 浦部刑事のFBI仕込みのプロファイリング(といっても、FBIでは極めて短期間の研修のみ)を蘭子が「その推理、明確に否定します」
 と完膚なきまでに全否定した後で発せられる一言。

 これも、放送では数えるほどしか登場していない。


人物

 変人で嫌われ者の庵堂の能力を誰よりも高く評価している。鑑識主任であるにも関わらず、威張ったり、偉そうにしたりするそぶりは一切見せない。
何より、注意すべき立場でありながら、鑑識作業中の私語が多い。
 
 私語の内容はもっぱら愛妻のことであり、部下の村上から妻の浮気の可能性を指摘され、間に受ける。

 が、鑑識の腕にかけては主任だけに目を見張るものがある。 

 浦部の肩叩きを全力でよける瞬発力はあるものの、持久力に乏しいのかすぐに息が上がる。

 現場に残された六五の数字を見て「うちのおふくろの年齢と一緒だ。二十歳で俺を産んだんだー。早いよなー」と発言。このことから、当時45歳であることが分かる。

 また、高校時代は野球部だったもののベンチ入りすらできず、いつもスタンドで応援していたとのこと。

 蘭子の所属する8係での爆弾事件においては、たまたま部屋を訪れていた部下の村上に持たせていた盗聴器を駆使して現場の状況を把握し、事件解決に大いに貢献する。

 物語の中盤までは、場を和ますムードメーカー的な役割を演じていたものの、実は終盤に巻き起こる連続殺人事件の真犯人であった。
 そもそも、18年前に起こった庵堂蘭子誘拐事件の首謀者。

 事の発端は18年前に発生した保土が谷の強盗殺人事件。若手鑑識員として事件に携わり、犯人が逮捕された後に別人の指紋が付着したナイフを発見。当時
捜査の指揮を執っていた蘭子の父親にその事実を報告するものの冤罪事件発覚を恐れた上層部の判断で証拠のナイフごと隠ぺいされることに。

 自分の無力さに落胆しているところに最愛の妻の死が重なる。自暴自棄になり、また義憤に駆られて蘭子を誘拐し、冤罪の事実を公表するように迫る。しかし、
彼の望む結果にはならなかった。その3年後、梶の誘拐事件関与に気づいた庵堂の父を殺害。


 愛妻についての私語の具体的な内容は、「今流行りのコートを買う」「おめかしして友人と旅行」「娘の家庭教師との浮気を疑い、問い詰めるとなぐられた」「バレンタインにプレゼントをあげるべきか」
「警察関係者が巻き込まれる事件が発生し、身を案じてくれるうちに仲直りした」「同僚刑事の見舞いにフルーツを持っていくよう言われた」「この後デートに行く(実際には共犯者を殺害)」
など、生々しいものであり、特に殴られたあざまで作るあたり、彼の心の闇の深さを十分に伺わせる。

 しかし、放送では亡くなった妻との対話といった具体的なシーンは見られず、どのようにして殴られたあざを作ったのかも不明。

 
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 自分が殺害した人物の娘とある程度の年数、何食わぬ顔をして仕事をしていた点からも、梶の心の崩壊具合が見受けられる。がしかし、誰よりも蘭子の能力を買っていた辺り、彼なりに蘭子に対する贖罪の念があったのかもしれない。
 それは、真相が全て明らかになった後、蘭子に銃口を向けられて、「いいよ、うん。やれよ…さぁ、殺してくれ」と言った辺りからも推察できる。

 本人曰く、「元々普通じゃない」のだそうだが、冤罪事件を晴らそうとしたり、失ったことによって気がふれる程に妻を愛していたあたりからも、本当は真面目で正義感が強く優しい心の持ち主だったのかもしれない。

そのやさしさが弱さとなって、このような顛末になったとも考えられる。

芝居
 主人公の一番の良き理解者と思いきや、実は彼女の父を殺した犯人という難しい役どころでありながら見事に演じきっている。特に、真相が明らかになるシーンでの狂気的でそれでいて落ちついた演技は圧巻。

 特筆すべきは、「出たっ!」というセリフ。極めて短いセリフにも関わらず、各々に微妙な違いが見てとれる。

 また、死亡推定時刻を確認する際に筋肉の硬直具合をみる動作が、他に類を見ないほどリアル。だが、このシーンも初回のみの登場。